こんちゃーっ、めなたこです。趣味の小説執筆で暗号表を使ったところ、使い方が間違っていたと判明しました。

うん、やらかした。
表を使った暗号って、ありますよね。マス目があって、あいうえおが書いてあって、暗号文と同じ記号が行ごとに振り分けられてて……ってやつ(モールス符号一覧みたいなのは、考えないとして)。
暗号表があると、簡単に暗号が作れちゃうのです。しかも、暗号表を持ってる人だけが解読できる。
こういうのって、秘密のお手紙にぴったり。小学生女子向けの雑貨屋で売ってたのも見たことありますもん。

……それもいいけど、この記事読んだら作れるぞ。オリジナルを。同じの買った人に解かれないやつを。何種類も。
というわけで、暗号表、紹介します。クイズもあるよ。
基本の暗号表5選
表を使った暗号は、暗号表がないと解けない……と言いましたが、暗号クイズが解きたくてページを見てくれてる人もいますよね。
どうしようかと迷った結果、「ヒントをつければクイズになるんじゃね?」って結論に達しました。というわけで、これから紹介する暗号を、まずはクイズとして出します。

表だけ知りたい人は飛ばしてね。
問題:次の暗号は、全て食材を表しています。5つの暗号を解読し、出てきた食材で作れる料理を答えなさい。ただし、暗号は全て暗号表を使ったものとし、《》の中はヒントとします。
暗号1:(3,2)(8,5)(1,3)(8,3)《暗号表は10×5マス》
暗号2:(4,1)(7,1)(5,4)(11,2)《暗号表は15×5マス》
暗号3:(6,2)(1,7)(4,3)《暗号表は7×7マス。あいうえお順ではない》
暗号4:(2,1)(5,1)(5,1)(1,2)《暗号表は5×5マス、IとJは同じマスに入れる》
暗号5:RJEH《暗号表は26×26マス、暗号化の鍵は「ABCD」を使用》

マス目の表し方だけど、この記事では「横×縦」の順にするね。

例えば、こういうのは「3×2マス」。4×3でも2×3でもないよ!
あと、料理だけど、厳密には暗号の具材以外にダシとか料理酒が必要。レシピにもよるけどさ。
それでは、解説にまいりましょう。
暗号表1:ベーシックな暗号表
まずは、暗号1で使われた表(以下、暗号表1。他の表についても同じように呼びます)です。

暗号クイズなんかでよく使われる表ですね(怪談で使われてるのすら見たぞ)。数字の代わりに記号や文字が使われていることも多いです。
使い方は簡単。暗号を作る場合は、まず、表の中から暗号にしたい文の文字を探してください。その真上にある数字と真横にある数字のペアが、暗号文になります。
逆に、暗号を解読したい場合は、ペアになった数字を表から探して交わったところの文字を読めばOKです!

例えば、(3,2)なら、右から3行目と上から2行目の交わった「し」が正解。他の暗号表も使い方は同じだよ(……暗号表5を除く)。
ちなみに、「上から3行目と右から2行目」ってパターンは……このタイプの暗号表ではあんまり見かけない気がします。気がするだけかもしれないけど。
おそらく、数字をアルファベットに置き換えればローマ字の表になるからだと思います。ローマ字って、「si」とか「ta」とかってふうに、「aiueo(つまり上から何行目かを表す文字)」が後に来ますよね。

数学のグラフでも、「x(横軸の数字)が3のときy(縦軸の数字)はいくつでしょう?」って考えたりするし。なんか知らないけど、横ファーストのほうがやりやすい。
「(横,縦)で解読してみて、ダメそうなら(縦,横)でも解読してみる」っていうのが一番効率的だと思います!

以後、「縦と横を逆にしてたせいで問題が解けなかった! ひどい!」ってクレームは受け付けません。解けなかった問題、逆バージョンを試してないならやってみそ。
というわけで、暗号1を解読しましょう。暗号文は「(3,2)(8,5)(1,3)(8,3)《暗号表は10×5マス》」です。
「10」がひらがなの行(あ行とかか行とか)の数だと気づけば、暗号表が作れるはず。答えは「しょうゆ」になります。

表の中に小さい文字がないから、苦肉の策で(8,5)を小さい文字にしたの気づいた? ……大きい文字で代用してる本もある(そしてそのほうがきれいかもしれない)けど、一応。
暗号表2:ベーシック暗号表2
続いて、暗号表2です。どんっ。


暗号表1とほぼ同じ。
「ガ・ザ・ダ・バ・パ」の行を増やすことで、暗号表1で表せなかった文字が表せるようになりました!
暗号2は、「(4,1)(7,1)(5,4)(11,2)《暗号表は15×5マス》」という内容。暗号表2を使って解くと、「たまねぎ」という文字が浮かび上がってきます。
暗号表1と同じように、「15」が行の数(ガザダバパありの場合)だと気づけたら、表が作れると思います!

まあ、暗号表1のワ行を上に詰めて、空きマスに「゛」「゜」を入れるってパターンもあるけどね。 あと、濁点のない文字で代用するパターンとか。
暗号表3:忍者の暗号表
暗号表3はこちら。

ひらがなが書いてあるのは暗号表1・2と同じですが、いろは順になっています。マス目も7×7の正方形。

いろはって、七文字・五文字・七文字……って続くやつだもんね。
この暗号表、忍者が使っていたという説があります。通称「忍びいろは」。右側(暗号表3では数字の部分)に漢字の偏を、上側(同じく数字の部分)に色の名前を書き、2つを合わせた漢字を暗号文にするんだとか。
変換サイトも存在するので、ぜひ見てみてください!

このサイトで使ってる表はこちら。
また、上杉謙信も同じ暗号を使っていたらしく。暗号表3と同じように、数字を使って書いていたそうです。
ただ、表における数字の順番を変えたり、数字の代わりに和歌の下の句を使ったりといった工夫をすることもあったとか。

上の句と暗号文を書いて、クイズとして出したら風流。
ところで、暗号3の内容は、「(6,2)(1,7)(4,3)《暗号表は7×7マス。あいうえお順ではない》」です。
数字バージョンの表(暗号表3)を使えば、答えは「さとう」になります。ヒントの「あいうえお順ではない」で、「じゃあいろは順か?」とひらめいたら解けますよ!
スポンサーリンク
暗号表4:ポリュビオスの暗号表
暗号表4は、打って変わってアルファベットを使います。


5×5=25マス=あいうえお全部は入らない(アルファベットの文字数が26だと知ってると、この時点で「アルファベットかも」と推測できる)
IとJは同じマスに入れる=アルファベットを使う(&残りのアルファベットを1文字ずつマスに入れたら25マスにぴったりおさまる)
あたりの推理を期待しているぞ諸君。
これは「ポリュビオスの暗号表」と呼ばれる暗号。古代ギリシャのポリュビオスさんが発明したようです。
ちなみに、ここでは(横,縦)の順に数字を書きましたが、参考にした3つのサイトには(縦,横)で表記してありました。

ポリュビオスさん縦から派だったのかも。
変換サイトはこちら。暗号表3を使った暗号も、ここから変換できるみたいです。

これももちろん(縦,横)表記。
さて、暗号4は「(2,1)(5,1)(5,1)(1,2)《暗号表は5×5マス、IとJは同じマスに入れる》」でしたね。
解読すると、答えは「BEEF」になります。牛肉ですね。

ちなみに、5×5のマスを使って、全然違う手順で暗号化する方法も見つけた。クイズにしづらいし表と言っていいのか微妙だから省略するけど、読んだらおもしろいと思うよ。
暗号表5: ヴィジュネル暗号表
最後の暗号表は……まったくもって、異色です。


でかい。
これだけ暗号文がアルファベットだし。マス目多いし。鍵とかあるし。しかも、使い方が他の表と違います。
この暗号の名前は、「ヴィジュネル暗号」。同じ文字が書いてあるマスがたくさんあるおかげで、1つの文字をたくさんの方法で表すことができ、解読がめちゃめちゃ難しくなるのが特徴です。
ここまで読んだところで、もう一度問題5を見てみましょう。
暗号5:RJEH《暗号表は26×26マス、暗号化の鍵は「ABCD」を使用》

「じゃあ、まずRとJの交わるところを見ればいいんだな!」と思った人。……うん、そうだよね! そう思うよね! 超わかる!
私も、最初はそういう方法だと思ったんですよ。他の暗号表と一緒。暗号に書いてある2文字が交わるところが、元の文になるんだって。
違います。
ヴィジュネル暗号に関しては、「元の文」と「鍵」の交わるところが「暗号文」になるんです。

これです、小説書くとき間違えたの。
暗号5の答えである「RICE(米)」を使って、表の使い方を詳しく説明しますね。説明読みながら見やすいように、もう一度同じ表を貼っておきます。

まず、ヴィジュネル暗号には、元の文以外に鍵となる言葉が必要です。好きな言葉を選んで、鍵にしてください(ここでは、わかりやすく「ABCD」とします)。
次に、一番上の行から元の文の1文字目、左の行から鍵の1文字目を探します。

ここでは、上の行から「RICE」の「R」、左の行から「ABCD」の「A」を探すよ。
探した文字のある行をそれぞれ下と横にたどり、交わった部分が暗号文の1文字目です。

上の行にある「R」の真下で、左の行にある「A」の真横なのは、「R」だよね。だから、暗号文の最初は「R」。
同じ手順を繰り返し、全ての文字を暗号化すれば完成です! 鍵の文字数が足りなければ、何度も繰り返し使ってくださいね(「ABCDABCD……」みたいに)。
めんどくさい! という人は、鍵を作らず、「1文字目は1行目で暗号化、2文字目は2行目……」というふうにするといいかもしれません。

実際、この表を考えた人は、そうしてたらしい。後から鍵を使う方式が生み出されたの。
解読するためには、「鍵の1文字目がある行から暗号文の1文字目を探して……」といった作業をすればOK。
……これまためんどくさいので、解読用の表を用意しました(嘘。間違えて作った表がたまたま解読にピッタリだったの)。
暗号文の文字を上の行から、鍵の文字を左の行から探し、行の交わるところが元の文です!


逆に、解読用の表で暗号を作って、元の表で解読することも可能。本来の表で解読できない分、難しくなるかも。
スポンサーリンク
最初に出した問題の答え
さて、5つの暗号表を解説し終わりました。ここらでちょっと、最初の問題の答えを書いておきます。
(最初の問題→「次の暗号は、全て食材を表しています。5つの暗号を解読し、出てきた食材で作れる料理を答えなさい。ただし、暗号は全て暗号表を使ったものとし、《》の中はヒントとします。」)
暗号を解いて現れる食材は、
- しょうゆ
- たまねぎ
- さとう
- BEEF(牛肉)
- RICE(米)
でした。
はい、この材料で作れる料理はなんでしょう?

みんなで一緒に言ってみよう! せーの! 牛丼~!(おかあさんといっしょのノリをおもいっきりめんどくさくして)
たまねぎと牛肉を煮て、しょうゆ・さとうで甘辛く味つけ。ご飯に乗せれば、牛丼の完成です。
他の人に解けないオリジナル暗号表を作る方法
ここまでいろんな暗号表を挙げてきましたが、暗号文はどれも数字かアルファベットになりましたよね。
暗号文になる、数字やアルファベットの部分(つまり表の濃い色の部分)。ここを好きな記号や言葉に変えれば、全く違う暗号になります!

女の子向けの雑貨屋で売ってたのも、10×5の表の数字部分をハートとか星とかに変えたやつみたいだったし。
記号でかわいくしてもよし、縦横似たようなのを使って難しくしてもよし。例えば、
- ハートや星などのかわいい記号
- 点・線・三角形・四角形・五角形……
- かっこいい漢字
- 小説やマンガの好きなセリフを1文字ずつ当てはめる
- ギリシャ文字
とか。

暗号文だけで表が想像できるようにすれば、クイズにもなります。その場合は、法則性がわかるものを使ってください! 特に、数が決まっているものだと、「この表は10×5だな」と推理できるようになります。
逆に、「1行めはUFOで、2行めが洗濯機で、3行めは校庭に線を引くときに使うやつ」とかだと、表が推測できません。解けない問題になってしまいます!

最初から表をいっしょに渡すならOKだけど。ヒントを出して難易度調整するのもいいね。
スポンサーリンク
記事オリジナルの暗号表も考えてみた
はい、検索で出た暗号表、ここまでです。5種類しかなかった。

ちゃちゃっと調べただけだから、知ってる人はもっと知ってるんだろうけど。有名なのは、この5種類みたい。
これで終わるのも味気ない&このままじゃ参考にした暗号まとめページのパクリで終わってしまう、ということで。
作るよ。
暗号表6:文字順を変えたベーシック暗号表

最初の暗号表はこちら。最初に出てきた、一般的な暗号表の中身を180°回転させました。それだけ。
他の法則で文字を並べて、オリジナルの暗号表を作るのも楽しいかも。

ただ、こういうの(文字の並べ方が違うやつ)は、クイズで出すと難しすぎるかも。「(1,1)=あ」っていうのが有名すぎる。ヒントつけてね。
暗号表7:いろはの代わりにあいうえお

「他の法則で並べた」系、その2。「忍びいろは」アレンジです。中の文字が、いろは順ではなくあいうえお順になってます。
マスが余ったので、「゛」とかも表現できるようにしてみました。「(1,6)(7,5)」=「か゛」=「が」のように使ってください(「小」は、前の文字を小さくするという意味です)。
暗号表8:100マス計算暗号表
さて。ここまで見てきた暗号表、1文字を数字2つで表すものばかりでした。

まあ、ヴィジュネル暗号(アルファベットでマス目が多いやつ)は違うけど。
数字1つでなんとかする方法、ないかと思って。作ってみました。

この暗号表、文字の並びやマス目は、ポリュビオス暗号(5×5のアルファベット暗号)と同じです。数字の種類だけ、変えました。
普通の暗号なら、並べて書くべき2つの数字。それを、かけ算してください。100マス計算の要領です。
かけ算の答えが、そのまま暗号文になります!

かけ算の答え、文字の下にも小さく書いてあるよ。
例えば、「BEEF」のBは、4×1=4。Eは11×1=11、Fは2×3=6です。「BEEF」をこの表で暗号化すると、「4 11 11 6」となります。

普通のポリュビオス暗号表でもできるじゃないか! と思った人。それだと、同じ数字のマスが出てきちゃうんです。それはそれでおもしろいけどね。
暗号表9:10×10ヴィジュネル暗号
はい、突然ですが、テンションを通販番組にしてください。

ヴィジュネル暗号をお使いのあなた!「表が大きすぎて、使いづらい……」なーんてこと、ありませんか?
そんなあなたには、こちら!


コンパクトヴィジュネル暗号です!
_人人人人_
> おー <
 ̄Y^Y^Y ̄
_人人人人人人_
> おおおー <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y ̄

はい、通販番組を終わります。
見てもらえばわかるとおり、ヴィジュネル暗号をコンパクトにしただけの暗号表です。
ただ、普通に切り取るとZまで入らなかったので、アルファベットのずらしかただけ変えました。1行下に行くごとに、2つずれています。
暗号表10:大ヴィジュネル暗号

すみませんふざけました。
スポンサーリンク
暗号表11:三角形の暗号
最初に出てきた5つの暗号表、全てのアレンジが終了しました。……ただ、アレンジだけじゃ芸がないと思って。
完全オリジナル、2つ作ってきました。

めっちゃ時間かかった。
こちらです。どんっ。


暗号表は四角じゃなきゃいけないなんて、誰が決めたの?
三角形の暗号表です。……めっちゃ使いづらいです。なぜ暗号表が四角なのか、わかった気がしました。
ただ、せっかく作ったし。使いづらいってことは、慣れてない人に暗号表が渡っても解かれづらいってことでもあるし。使い方、書いておきます。

四角形の表の暗号では、2つの数字が表す行を見て、それが重なるところの文字を読むじゃないですか。
三角形だと、それが3つになります。ただ、行の表し方が、ちょっと面倒なだけで。
まず、大きい三角形の左の辺に書いてある数字は、右下へ向かう(\という向きの)斜めの行を表しています。
右の辺は、横向きの(―という向きの)行。下の辺に書いてあるのは、右上に向かう(/という向きの)、もうひとつの斜めの行の数字です。

……うん、わかりづらいから、具体例。

これは、Fを(2,3,1)という暗号で表す場合の、表の見方です。

\向きの2行目(赤)・―向きの3行目(緑)・/向きの1行目(青)が重なって、Fのマスを表してるの。
うっかり違う場所の数字を読んでしまいそうになりますが、この表を見ながらやれば間違えないと思います。むしろ、数字の場所にさえ気をつければ、けっこう簡単。
使いたい人は、ご自由にどうぞ。クイズには向かないと思うけど……

いや、表を渡して使い方を考えてもらうって形式なら、逆にアリか?
暗号表12:箱の暗号
さあ、最後の暗号です。こちら。


暗号表は平面じゃなきゃいけないなんて、 誰が決めたの?
……平面じゃなかったら、持ち歩きづらいでしょうけどね。
これは、ひらがなが書かれた積み木を、順番に積み上げたもの。積み木の位置を、(横,縦,奥行き)の順で表す暗号を作れます。

例えば「き」は、左から3つめ・上から2つめ・一番手前だから、(3,2,1)になるの。
隠れて見えない積み木は、こんなふうになってます。

薄切りにした表です。

薄切りにした表ってなんだ。
まとめ:好きな暗号表を選んでアレンジしてね
暗号表12種類、紹介してきました。使えそうなものはありましたか?
クイズを作るなり、秘密の手紙を書くなりして、使ってみてくださいね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

クイズを解きたい人は、こちらの記事もどうぞ。
コメント